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池袋ウエストゲートパーク
2009年06月06日 (土) | 編集 |
評価☆
「池袋ウエストゲートパーク」
石田衣良 著

単行本:文藝春秋(1998年9月)
文庫本:文春文庫(2001年7月)



第36回オール読物推理小説新人賞
テレビドラマ化(主演:長瀬智也)
マンガ化(ヤングチャンピオン連載終了)


【池袋ウエストゲートパークの紹介】

主人公・誠は高校を卒業したばかりの少年。
池袋の少年たちの中心的な存在です。

ある日、誠のグループの少女が殺害されます。
誠は池袋の若者を総動員して、犯人を追い詰めていきます。

いくつもの事件を解決するうちに、誠は池袋のトラブルシューターと見られるようになります。
そして、また新しいトラブルが・・・


【感想】

読後にイメージがガラリと変わることがあります。
「池袋ウエストゲートパーク」もそんな1冊でした。

自由奔放な若者たちの青春小説(しかも犯罪色の濃い)。
背表紙の紹介文を読むと、大体の内容は想像できます。
不愉快な気分になりそうな小説だと感じました。
だから、長い間、読む気になれずにいました。

読み始めたキッカケは、この本しか手元になかったからという単純な理由でした。
「嫌気がさしたら、すぐにやめよう」と思いながらページをめくりました。
気が付けば、残りページが少なくなることを悲しく思う自分がいました。

確かに、深夜にたむろするような若者を描いているのですが、何かが違うのです。
それはエンターテイメント性に優れたストーリーと主人公造形だと思います。

主人公は、探偵であり、街の顔であり、一匹狼であり、正義であり、犯罪者でもあります。
トラブルを解決していく主人公は、まるで外国映画のヒーローのようです。

きっと、不良少年が嫌いな大人も満足させられる小説だと思います。


【関連商品】
1,単行本   2,文庫本  
   


鹿男あをによし
2009年05月01日 (金) | 編集 |
評価△
「鹿男あをによし」
万城目学 著

幻冬舎(2007年4月)



2008年ドラマ化「鹿男あをによし」(主演:玉木宏)


【本の紹介】

大学の研究室で働いていた主人公は、教授から奈良の女子高で非常勤講師を務めるように勧められます。

気乗りしないものの、半ば強制ともいえる教授の言葉に、仕方なく主人公は赴任します。

女子高では生徒と良好な関係が築けずに、苦しみます。

鹿で有名な奈良公園で悩んでいるところ、一匹の鹿が人間の声で話しかけてきました。

驚く主人公に告げた内容とは・・・


【感想】

話題の「鴨川ホルモー」でデビューした著者の第2作目です。

ファンタジーともいわれるこの小説は、一言でいえば中途半端。

止められなくなるほどの魅力はなく、かといって途中で投げ出すほどの駄作でもありません。

ユーモア満載との宣伝でしたが、ユーモアも中途半端なのです。

唯一、ユーモアを感じたのは、「マイ鹿」のくだり(序盤の一シーンです)くらいでした。


テレビ化以前は、図書館で若者がほとんど見向きしない小説でした。

地味な表紙の影響だったのでしょうか。

奈良の古風な雰囲気を巧みに醸し出しているあたりも考慮すると、読者の年齢層は意外と高いのかもしれません。


【この本の関連サイト】

テレビドラマ「鹿男あをによし」公式サイト


【この本の関連商品】

単行本     DVD-BOX
   



一瞬の風になれ
2009年05月01日 (金) | 編集 |
評価☆
「一瞬の風になれ」 (全3巻)
佐藤多佳子 著

単行本:講談社(2007年4月)



・第28回吉川英治文学賞受賞
・2007年本屋大賞受賞
・2008年フジテレビ4話連続ドラマ「一瞬の風になれ」(主演:内博貴)


【本の紹介】

主人公の神谷新二は、中学までサッカーに明け暮れた毎日でしたが、自分の才能に限界を感じ、高校では陸上部に入部します。

俊足な新二は、短距離を選びます。

一方、新二と同じ高校に入学した一ノ瀬連は、中学時代に全国大会で入賞するほどのスプリンターです。

2人は仲間たちと共に、4×100mリレーでインターハイを目指し、青春を陸上に捧げます。

挫折や悲しみを乗り越えて、疾走する少年たちの高校3年間の物語です。


【感想】

2007年本屋対象に選ばれたこともあり、どこの本屋でも平積みされていました。

著者が実際に高校陸上部まで何度も取材したことも有名です。


少年たちの3年間をしっかりと描くためには、1巻で足りるはずもなく、3巻のボリュームが必要だったのでしょう。

練習して、試合に出て、また練習して・・・

このマンネリな展開には、ちょっとダレてしまいます。

作中で起こる出来事も月並みです(ネタバレになりますので秘密にしますが)。

それでも、最終巻まで読破しました。

まるで自分が陸上部に入部しているような気分に浸れたからだと思います。

ゴムチップの競技場が懐かしく思える陸上経験者なら、絶対にハマリます。


もし、この小説が気にいったのなら、川島誠「800」を読んでみてください。



「一瞬の風になれ」が健全な陸上小説としてら、「800」は不良な陸上小説と勝手に位置付けています。


【この本の関連商品】

1,単行本
      




夜は短し恋せよ乙女
2009年04月25日 (土) | 編集 |
評価△
「夜は短し歩けよ乙女」
森見登美彦 著

単行本:角川書店
文庫本:角川文庫

第20回山本周五郎賞受賞
2007年度本屋大賞第2位




【本の紹介】

京都大学の男子学生は、後輩の「黒髪の乙女」に恋しています。
少しでも「黒髪の乙女」に近づけるように、彼女の行く先を聞きつけては追いかけていきます。
夜の河原町界隈からはじまり、大学祭で盛り上がる京都大学、さらには寺社の古本市まで。

「黒髪の乙女」の現れる先では、奇妙な出来事が起こります。
そこに居合わせた男子学生も、巻き込まれていきます。

古都・京都を舞台にした独特な世界観をもつ小説です。


【感想】

この小説は、ラブコメディーといわれていますが、冷静に考えると、ストーカー小説です。
男子学生は、「黒髪の乙女」が現れそうな場所に先回りして、偶然を装い、出会うのです。
これが何度も続くのです。
どう考えてもストーカーです。

一方、「黒髪の乙女」もバレバレのストーカー行為に気付かないとは、天然っぷりが炸裂しています。
確かに、天然で無邪気で能天気な性格は「黒髪の乙女」の魅力です。
「黒髪の乙女」は、きっと著者の理想の女性像なのだと思います。
間違いありません。

さて、この小説では、奇妙な出来事と舞台の京都を上手く融合しています。
目の前に京都の情景が広がりそうになります。
また、奇妙な出来事も、決して京都にとって違和感を感じさせないものばかりです。

クライムノベルなど読むだけで心に影を落とす小説が多い中、この小説は童話のようなやさしいい雰囲気に包まれています。
京都や宮沢賢治が好きな人は、間違いなく買いです。

繰り返しになりますが、一歩間違えるとストーカー小説です。
世の中のもてない君たちが本を真似てストーキングしないように祈るばかりです。


【この本の関連商品】

1,単行本


2,文庫本










大金星
2009年04月16日 (木) | 編集 |
評価▲▲
「大金星」
水野敬也 著

小学館,2008年12月発刊,定価1,575円




【本の紹介】

「夢をかなえるゾウ」がミリオンセラーを記録した水野敬也の最新作です。
主人公の御手洗は、ゲームが特技で、彼女もいない大学生。

ある日、渋谷でランニングシャツの九州男児の春男と出会います。
春夫は西郷隆盛を連想させる濃い顔な上に、強烈な九州なまり。
渋谷が全く似合わない男です。

春男は出会ったばかりの御手洗に強烈な空腹を訴え、ハンバーガーをご馳走になります。
「恩返しがしたい」という春男に、御手洗は「彼女がほしい」とつぶやきます。
どうせ無理だろうと思いながら。

ところが、春男は「女子こそ唯一の得意分野」と、御手洗のために恋愛指南をはじめます。


【感想】

「大金星」は本屋の話題書コーナーに山積みされていました。
本の帯には、「お金も才能も肩書も容姿も関係なく僕たちでも手に入れられるものが一つだけある。それは―」という売り文句が飾られています。
「夢をかなえるゾウ」が面白かったので、読んでみようと思い手に取りました。

この本を一言でいえば、「ナンパ小説」です。
「彼氏いない歴=年齢」の主人公がむさ苦しい男と、彼女づくりに奔走する内容です。
街中でのストリートナンパにはじまり、コンパデビューも果たします。
ヘタレな主人公がナンパによって、成長(?)していく姿を描いています。

ナンパで失敗すると、惨めで傷つきます。
コンパで失敗すると、時間とお金がもったいなく思えます。
だからといって、何もしなければ、彼女はできません。
「勇気をもって行動することが大切だ」と言いたいのでしょうか?

さて、物語の中では、「夢をかなえるゾウ」と同様に格言やウンチクが盛りだくさんです。
「夢をかなえるゾウ」はこれでブレイクしたのですが、今回は大はずれです。
必要以上にウンチクが飛び出します。
「ここはウンチクなんて語らなくてもいいのに」と何度も思います。
著者のウンチク大会にしか思えません。

というわけで、個人的には、全くオススメできない1冊です。
ちなみに、最後に「つづく」とありますので、続編も予定されているようです。


【この本の関連リンク】

小学館の大金星サイト


【この本の関連商品】

1,単行本