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告白  湊かなえ
2012年06月24日 (日) | 編集 |
評価☆

「告白」
湊 かなえ 著

双葉文庫


第6回本屋大賞受賞作


【告白の紹介】

中学校の女性教師・森口の娘が学校で亡くなりました。
警察の発表は事故死。
悲しみに暮れる森口は、中学校教師を辞めることにしました。

最後のホームルームで、森口は教え子たちに衝撃的な事実を告白しました。
「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。」

森口の告白に続き、犯人の少年やクラスメイトからの告白により、事件の真相が明らかになっていきます。
そして、事態はさらに進展していくのです。


【告白の感想】

物語は、女性教師・森口の告白からはじまります。
改行が少なくて読み辛いのが難点ですが、教師らしからぬ言動の数々に惹きつけられます。

森口はクラスメイトに殺人の事実を告げながらも、警察には通報しないと言います。
ただ、ホームルームで公開しておいて、外部にバレないというのは、ちょっと現実的ではないかな、と思ってしまいます。
そんな、違和感を差し引いても、グイグイと物語に引き込まれていきます。

犯人の正体は、冒頭で明らかになっています。
殺人の方法も前半で明らかになります。
それでも、読者を引き離さない強烈な力のある小説です。

読んでいる最中、自分自身でも脈拍が高くなっているのが分かりました。
さすが、本屋大賞を受賞して映画化されただけのことはあります。

残念なのは、「こんなに都合良いことないよな」と思う箇所も複数あることです。
リアリティーがなくなったり、突っ込みながら読み進めてしまうのは、少し興醒めします。
まあ、小説なので、仕方のないことですが。

ラストシーンには意外性があり、最後の1ページまで楽しめるミステリー小説です。



【映画版 告白】



出演:松たか子/岡田将生/木村佳乃
監督:中島哲也
脚本:中島哲也



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九月が永遠に続けば  沼田まほかる
2012年05月04日 (金) | 編集 |
評価☆

「九月が永遠に続けば」
沼田 まほかる 著

新潮文庫



第5回ホラーサスペンス大賞受賞作


【九月が永遠に続けば の紹介】

主人公・佐和子は高校生の息子と二人で暮らしています。
しかし、佐和子が自動車教習所の教官と密会した日の夜、息子は失踪します。
夜にゴミを出しに家を出たまま、帰って来なかったのです。

サンダル履きに財布も持たずに失踪した息子を心配する佐和子。
事件に巻き込まれたのかと不安に襲われます。
追い打ちをかけるように、佐和子の身辺には、さらなる事件が起こります。


【九月が永遠に続けば の感想】

「まほかる」という著者名の珍しさから手に取りました。
沼田まほかるは、主婦、僧侶、会社経営の経歴をもつ異色の作家です。
本のキャッチコピーは「読書界を震撼させたサスペンス長編」。
ホラーサスペンス大賞の受賞作ということで、読む前から心臓の鼓動が高まるような錯覚をおぼえました。

失踪物の小説(そんなジャンルはあるのか?)といえば、犯罪や組織的陰謀が関わることが多いように思います。
「九月が永遠に続けば」では、そんな非現実的な事件ではなく、日常生活の延長線上にあるような状況で展開していきます。

そして、エロティックでグロテスクな一面も持っています。
心の奥底をナイフでえぐられるような不快さです。
精神的な刺激を避けたい人は、読むべきではありません。

小説としては「ホラー」としての怖さを感じなかったものの、読む手を止まらせない面白さがあります。
私は病院の待ち時間に読んでいたのですが、この本のおかげで全く退屈しませんでした。
もう少し待ち時間が長くても、ストレスにならなかったと思います。
読み残しは、電車の中で少しずつ読むつもりが、我慢できずに、帰宅後に最後まで読んでしまいました。



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サクリファイス  近藤史恵
2011年08月04日 (木) | 編集 |
評価☆

「サクリファイス」
近藤 史恵 著

新潮文庫



大藪春彦賞受賞作


【サクリファイスの紹介】

主人公の白石は、プロの自転車ロードレース選手。
同じチームのメンバーとともに、国内外の大会に挑みます。

ある大会で、白石は幸運にも暫定トップで前半の数日を終えます。
しかし、チームの先輩選手から、エース・石尾の疑惑を聞かされます。

石尾は数年前に、若手選手にエースを奪われると警戒し、事故を装って彼を再起不能にしたというのです。
疑惑に悩みながらも、白石はレースに挑みます。

そして、新たな惨劇が。。。


【サクリファイスの感想】

自転車のプロ選手といえば、真っ先に競輪選手を想像しませんか?
しかし、この小説ではマイナーな自転車のロードレースを描いています。

自転車のロードレースは、単に個人の順位を競うものではありません。
チームのエースを優勝させるために、他のメンバーはエースのフォローに全力を尽くすのです。
メンバーの献身があってこそ、エースは表彰台に登ることが出来るのです。

主人公の白石は、エースのサポート役としてレースに出場します。
そもそも、大半のレース競技は自分自身のタイムを競うものなのに、他人を勝たせるために出場することに驚かされます。
また、ロードレースには、風の抵抗を受けて負担の大きい先頭を交互に代わるという暗黙のルールも存在します。

白石はエースを勝たせようとしますが、意図せずに上位を狙えるポジションを得てしまうのです。
さらに、このレースで活躍すれば、海外の名門チームに移籍できるという噂を耳にします。
白石の役目はエースを勝たせることですが、迷いが生じてしまいます。

「自転車ロードレースって、こんな競技だったのか!」と、レースの展開だけでも楽しめます。
激しいスポーツで呼吸と筋肉が悲鳴をあげる感覚に快感をおぼえたことのある人なら、小説の世界観にどっぷりとつかることが出来るはずです。

ミステリーのジャンルに属していますが、「これってスポーツ小説ではないの?」とも思います。
もちろん、ミステリーとしても楽しめますが、読んでるだけで筋肉痛になりそうなこの本は、やはりスポーツマンに最もオススメしたい一冊です。



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インシテミル 映画化作品!
2010年10月12日 (火) | 編集 |
評価☆
「インシテミル」
米澤穂信 著

文庫本:文春文庫(2010年6月)
単行本:文藝春秋(2007年8月)




【インシテミルの紹介】

主人公の結城は、車を買うためにアルバイトを探していました。
求人雑誌で見つけたのは、時給10万円以上の超高額アルバイト。
結城は「誤植だろうか?」と疑いながら応募します。

アルバイトの内容は、7日間の実験の被験者となることです。
参加したのは12人の男女。
連れられた場所で待ち受けていたのは、殺人犯を探し出すデスゲームだったのです。

2010年10月、藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、北大路欣也など豪華キャストで映画化しました。






【インシテミルの感想】

ここから先は、ネタバレレビューです。

結末までは書いてありませんが、ご注意ください。





















謎の超高額アルバイトの存在で、序盤からワクワクさせられます。
アルバイトの正体は、人を殺せば報酬が上がるものでした。

殺人犯を見破っても報酬は上がります。
一方、殺人が起こらなくても、時給10万円です。
そんな中で、殺人が発生し、参加者たちは疑心暗鬼にとらわれます。
手に汗握る展開です。

とにかく、「インシテミル」は中盤までが面白い!
殺人者がわからず、お互いを疑いながら、生活を共にしていきます。
次々と事件が発生するあたりは、ドキドキします。

しかし、終盤になり、結末が見え始めると、途端に興冷めします。
推理小説のウンチク大会のようになっていきます。
なんと、推理小説を参考に謎解きをはじめるのです。
一般の読者が聞いたこともないような作品がいくつも語られます。
「これって、推理小説マニアのための小説?」って思ってしまいました。

中盤までの手に汗握る展開は、一気にリアリティを失っていくように感じました。
終盤はやや残念ではありますが、久々に夜更かししてしまった「インシテミル」でした。











重力ピエロ
2009年06月05日 (金) | 編集 |
評価△
「重力ピエロ」
伊坂幸太郎 著

単行本:新潮社(2003年4月)
文庫本:新潮文庫(2006年7月)



2009年映画化(主演:岡田将生)


【重力ピエロの紹介】

主人公の泉水の周辺で、連続放火事件が起こります。
泉水は弟の春と調査に乗り出します。
放火現場の近くには、謎のグラフィックアートが出現していたことが分かりました。
この放火事件とグラフィックアートには、春の悲しい出生の秘密が関係していました。
やがて、泉水は事件の真相に近づいていきます。

【感想】

伊坂幸太郎の小説は、テレビドラマ化の「魔王」や本屋大賞受賞作「ゴールデンストラバー」など以前から興味がありました。
「読もう」と思いながら、ついつい後回しになっていました。
たまたま、「重力ピエロ」の映画化を知りましたので、伊坂デビューすることにしました。

独特の作風だと思いました。
決して読みにくいわけではないのですが、「伊坂ワールドだなあ」と感じました。
残念ながら、私は伊坂ワールドと相性がよくなかったようです。

さて、ストーリーは容易に謎が想像できます。
しかも、序盤の早い段階で。
そうなると、ミステリーとしての楽しみは半減します。
というわけで、個人的には評判ほど面白いとは感じませんでした。


【関連商品】
1,単行本   2,文庫本   3,映画フォトブック